課題ごとの解決方法

「執着心」や「葛藤」を落ち着かせる方法

2023年4月24日

岩の上の男性
今回は、自分と向き合う取り組みを始めたものの、壁に突き当たってしまったように感じていらっしゃる方へ向けた内容です。

自己受容・自己優先を心がけているにもかかわらず、他者への執着心や現実に対する不満が消えないことに、自分の努力や愛が足りないのだろうかと、ご自身を責めてしまってはいませんか。

また、観念を変えていく過程において、相反する感情の間で葛藤や逡巡を抱えて、自分は果たしてそこから抜けられるのか、そしてどこへ向かえば良いのかわからなくなってしまい、不安に駆られている方も、いらっしゃるかもしれません。

そのようなお悩みを解消するための考え方を、以下にてお伝えします。

現実は、あなたの観念を表すバロメーター

他人や何かの物事に執着したり、現実に対して不満を感じるのは、あなたが自分の本当にやりたいことをやって、自分を満たすことができていないからです。
その欠乏感を埋めようとして、外側への欲求がどんどん肥大化していってしまうのです。

顕在意識では、自分に対してありのままの自分で生きる許可を出しているつもりなのに、執着心が外れないということは、未だ潜在意識の中に、あなたの自己受容・自己優先を阻む、何らかの観念があるということです。
それが何なのかを知り、一つ一つ解放していく必要があります。

要するに、思い通りにならない現実というのは、あなたが本来の自分として生きることを阻害している何らかの観念を、まだ持っているのだということを示す、「バロメーター」なのです。

ですから、執着してしまうことで「私は自分のことを大事にしてあげられないんだ」「駄目な人間なんだ」と、自分を責める必要はありません。
あなたの努力や、自分への愛が足りないというわけでは、決してないのです。

あなたの意志の力は弱いどころか、むしろ、とんでもなく強いのです。
あなたは無意識のうちに、自分が決めた通りに、つまり、潜在意識で定義している通りに行動しているだけなのです。

顕在意識だけでいくら頑張っても、潜在意識に強固な観念がある限り、あなたはそちらに従います。
なぜなら、潜在意識こそが、あなたの意識の主体だからです。

ですから、あなたは諦めずに、潜在意識にどのような自己否定的な観念があるかを知り、それを癒やすことに努めれば良いのです。
それによって、あなたの人生は、確実に変化していきます。

本来のあなたをせき止めていた枷が外れていくことによって、迷いや苦しみは次第になくなっていき、あなたはより楽に、スムーズに、人生の軌道に乗って生きていけるようになります。

大丈夫ですよ、あなたの方向性は間違っていません。
あなたはもうその仕組みを知ったので、後は、実行していけばいいだけなのです。

 

自分と向き合うことを恐れなくていい

「自分は自分のことをちゃんわかっていて、課題はもう乗り越えているし、何も問題はない」
「だから、これは相手(や環境、社会など)のせいだ」と、現実が上手くいかない理由を、自分の外側に見出そうとしている方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし、間違いなく、問題の根本は、あなたの中にあります。
それだけ例外だ、などということはありません。

それは、あなたが悪いと言っているのではないのです。

あなたが手を上げれば、鏡の中あなたも、同時に手を上げるはずです。
そのとき、鏡の中の自分に対して、「手を上げるな、私は手を上げたりしていない」と言うのは、理不尽です。
事実、あなたは手を上げているので、鏡の中の自分に別の動作を求めても、それは叶いません。
それと同じことを、あなたは言っているということです。

現実を疑わないで、受け入れてください。
起きることには、すべて意味があります。

上手くいかない現実というのは、いたずらにあなたを苦しめているのではなく、あなたが本来の自分を生きるために必要なことを、示唆してくれているのです。
あなたが自分の心や望む生き方を、逆説的に自覚していくために、その出来事はあるのです。

ですから、あなたが現実に抵抗すればするほど、つまり、自分の外側に原因があるとしてそれを変えようとすればすればするほど、何度でも同じことが起こり続けるのです。
それでは何も変わらないということに、あなたが気づくまで。

あなたが本当に向かいたいのは、他者ではなく、自分の内側です。
あなたが本当に求めているのは、他でもない、自分自身から目を向けてもらうことです。

なぜあなたがそのことに対して納得がいかないのかというと、無意識のうちに、自分の内側に向かうことを阻もうとしているからです。
つまり、「自分には問題はない」として自分に目を向けない、取り合わないという姿勢自体が、あなたの自己否定的な観念を示しているのです。

あなたが自分と向き合って、自分と和解することを絶対に認められないのは、それだけ、あなたの中の罪悪感や恐怖心が強力だからです。
あなたは、自分を解放することで、何か悪いことが起きると思っているのです。
だから、そんなことは許すまじとして、断固として拒絶しているのです。

けれど、本当のあなたは、決して悪い人間などではないのですよ。
だから、自分と向き合うことを、恐れないでください。
過去の傷を、見たくない自分を見ることを。

人は完璧ではありません、だから経験を通して学ぶことができるのです。
そのことを認めてあげてください。
どうか、過ちや愚かさという、ネガティブな側面も持っている自分という存在を許し、受け入れてあげてください

間違っても良いのです、そのために人生があるのです。
自分を恥じて抑圧することはありません。
一生懸命生きてきた自分のことを、どうか誇りに思ってください。
そして、愛してあげてください。

そうすればあなたは、これまで受け入れられなかった自分と向き合う勇気を、持つことができるようになります。

 

焦らなくていい、すべては必要な経験

自らを否定する観念というのは、一つではありません。
様々な経験によって、潜在意識の中に、そのような観念が何層にも積み重なってしまっています。

ですから、早く楽になりたいからといって、一度ですべての観念を変えて何もかもをクリアにするということは、できないのです。
玉ねぎの薄皮を剥くように、少しずつ段階を踏んで、丁寧に外していく必要があります。

そのことをじれったく感じる気持ちはわかりますが、焦ったり無理をしたりする必要など、ないのですよ。
あなたには、その過程において学びたいことが、たくさんあるからです。

目の前の経験と感情をしっかりと味わって、自分の心の動きを知ってください。
自分にとって必要な経験が、すべて完璧なタイミングに起こるのだと、自分の人生を信頼してください。

例え、何度も同じことを考えてしまって、堂々巡りで何も進まないときも、自己嫌悪に陥って、自分を責めてしまわなくても良いのです。
あなたのしている葛藤も逡巡も、すべて無駄にはなりません。
そのことを通してあなたが学んだことは、やがて、あなたにとってのかけがえのない宝になります。
あなたは、あらゆる経験と感情によって、「心」というものを理解していくことができるのです。

 

受け入れるだけで、葛藤は落ち着いていく

観念を変えていく過程において、「揺り戻し」の起こることがあります。
本当にこれで良いのだろうかと、新たな自分の選択に自信がなくなり、躊躇するのです。
つまり、古い観念と新しい観念の間で、葛藤が起こります。
人間には、自分の状態を一定に保とうとする機能(ホメオスタシス)があるからです。

しかし、もしかして何も上手くいっていないのかも、結局自分は変われないのかもと、不安に思ったり無力を感じたりしなくても、大丈夫です。
確かにあなたの学びはもう十分で、苦しみからは抜けるときです。
あなたは、幸せに向かっています。
だからこそ、その葛藤は、避けては通れない、必要なプロセスなのです。

あなたはこれまで、自分は求めてはいけないのだと、欲しいものに手を伸ばしてはいけないのだと、強く思ってきました。
葛藤するということは、その、自分に課していた規制が弱まったということです。
それによって、抑えていた気持ちが溢れてくるため、その勢いに、あなたは戸惑っているのです。

あなたは、抑圧から抜けるということを、自分で決めました。
だからこそ、抜けるときに、自分の中にあった本当の気持ちと、それを制する思考の間で、大きく葛藤するのです。
それは、そのプロセスの中で感じる、自らの心を学ぶ必要があるからです。
ですから、全て感じればいいのですよ。

喜びには悲しみが、愛には憎しみが、信じるには疑念が、満足には欠乏が、その相反する感情が必要なのです。
対になる感情を知らないで、その感情を真に知ることはできないのです。
つまり、矛盾するようでいて、それらは、どれも本当のあなたなのです。
それらは全部、確かにあなたの中にあって、あなたは、それらを経験したかったのです。

だから、悲しみや憎しみといったネガティブな気持ちも、何も否定しなくていいのです。
抗わずに感じればいいのです、それが人間であるということを。
辛い、苦しい、忘れたい、受け入れたくない、そう思ってもいいのです。
それすらも否定しなくていいのです。

執着し葛藤する自分、ネガティブな自分に嫌気が差し、責めてしまってはいませんか。
あなたが受け入れてあげないと、それらの感情は、より強くあなたに訴えかけてきます。
自分の気持ちに抵抗しないで、そのまま素直に受け取ってください。
あなた自身の内側から湧き上がってくるものを、否定しないでください。

すると、気持ちが落ち着いてきます。
認めてあげることで、葛藤がなくなっていくのです。
冷たく打ち付ける滝と一体となることで、やがて苦しみがなくなって、心地よくなってくるように。

このままでは自分はどこにも行けないと、心配する必要はありません。
そのまま、自然な流れに身を任せていれば、やがて道が拓かれていきます。
その時になればわかります。
あなたの中に、相反する二つの感情が同時に存在しているのは、あなたが二つの世界の間にいるからです。
古い世界と新しい世界の狭間です。

あなたは既に、新しい世界へ行くということを、自ら選び取りました。
その移行のためには、自分の中に両方存在するということを、受け入れることなのです。
それだけで良いのです。
感情が二つに分かれて苦しい、自分がバラバラになってしまうようだと思っているかもしれませんが、それはいつまでも続くものではありません。
それは、受け入れることで、やがて一つになっていきます。

あなたは感情に圧倒され、翻弄されているので、不安を感じてしまっているのです。
ですが、本質的にはそれで問題はなく、順調に進んでいます。
大丈夫ですよ。

 

お読みいただき、ありがとうございました。
あなたの人生を、いつも信じています。

 

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